同居中のイケメン幼なじみが、朝から夜まで溺愛全開です!
「はぁはぁっ」
あっつ。
綾乃のあとを追って生徒玄関まできたけれど、綾乃の姿はどこにもない。
「千景様」
「はぁ、如月。綾乃見なかった?」
「ものすごい勢いで、どこかへ走って行かれましたが?」
「どっち? どこ行った?」
「喧嘩でもしたんですか? なんだか様子が変でしたけど」
如月は俺が生まれたときからずっとそばにいる側近。
出張で家を空けることが多い両親よりも、一緒にいる時間が長い。
感情をあらわにしない能面の如月が、俺を心配しているように見えた。
「べつに喧嘩ってほどじゃ」
如月の目が見れず、視線を下げる。
俺が勝手に嫉妬しただけで、綾乃にはなんの非もない。
綾乃のことになるとついカッとなって心が激しく揺さぶられる。