同居中のイケメン幼なじみが、朝から夜まで溺愛全開です!

「綾乃!」


振り返って、とっさに手を握る。


触れた瞬間、綾乃は大きく目を見開かせて体をこわばらせた。


「大丈夫か?」


「うん……」


さっき怖い思いをしたばっかなのに、無理して口角を持ち上げて笑っている。


無意識に手を握ったけど、嫌だよな……。


手を離そうとすると。


「ごめん、なさい……」


うつむきながら肩を震わせ、今にも消え入りそうな声で綾乃が俺の手を握った。


「わたしのせいで、千景くんに迷惑かけちゃった」



よっぽど申し訳ないと思っているのか、だんだんと小さくなっていく声。


そしてゆっくり顔を上げた綾乃が、俺の顔色をうかがうように上目遣いで見てきた。


< 158 / 457 >

この作品をシェア

pagetop