同居中のイケメン幼なじみが、朝から夜まで溺愛全開です!
「綾乃!」
振り返って、とっさに手を握る。
触れた瞬間、綾乃は大きく目を見開かせて体をこわばらせた。
「大丈夫か?」
「うん……」
さっき怖い思いをしたばっかなのに、無理して口角を持ち上げて笑っている。
無意識に手を握ったけど、嫌だよな……。
手を離そうとすると。
「ごめん、なさい……」
うつむきながら肩を震わせ、今にも消え入りそうな声で綾乃が俺の手を握った。
「わたしのせいで、千景くんに迷惑かけちゃった」
よっぽど申し訳ないと思っているのか、だんだんと小さくなっていく声。
そしてゆっくり顔を上げた綾乃が、俺の顔色をうかがうように上目遣いで見てきた。