同居中のイケメン幼なじみが、朝から夜まで溺愛全開です!
「ん、どーぞ」
東条くんの胸のうちなんて知らないだろう千景くんが、わたしに向かってお弁当を差し出す。
「わー、ありがとう! いただきます」
手を合わせて、まずはおにぎりから。
パクッとかぶりつき、梅干しの酸っぱさに目を丸くする。
「美味しい?」
「……っうん!」
「そっか」
そう言って優しく笑う千景くんの顔が、好き……。
って、人としてね。
そう……人として。
特別な意味なんて、ない……。
そもそも、特別って……?
恋、とか?
ちがうちがう。
柚が変なこと言うから、意識しちゃうじゃん。
それを紛らわせるように、パクパクとおにぎりを食べ進める。