同居中のイケメン幼なじみが、朝から夜まで溺愛全開です!
あ、綾乃、様……?
様付けされる理由もなければ、部屋でゆっくりすごすという意味もわからない。
「わたしはその、メイドとしてやってきたわけでありまして……」
お仕事を教えてほしいのですが。
「メイド、ですか?」
はてと首をかしげるスーツさん。
もしかすると、わたしのことを聞かされていないのかもしれない。
「お部屋でゆっくりされるようにと、私共は千景様から仰せつかっておりますが?」
「へっ……?」
どうして千景さんがそんなご指示を?
初日だからって、気を遣ってくれてるのかな?
案外優しい人なのかな……。
ま、わたしは助かるけど。
「とにかくゆっくりなさっていてください」
「は、はい。あの、ひとつだけお聞きしてもいいですか?」
「ええ、なんなりと」
「千景さんって、双子だったりします? それか女兄弟がいるとか」
「いえ、千景様はひとりっ子でございます」
ひとりっ子……。
双子説と女兄弟説、破れたり……。
ということは、やっぱりちかちゃんは千景さんだってこと?