トッキーチャックGOGO
真実に酔う
街中を、スクーターが走っている。
ずんぐりむっくりした男が乗っている。
筋骨隆々な体を、Tシャツに無理矢理押し込んだような体型だった。
黒のTシャツは破けんばかりだった。
ウィンカーを出すと、急ブレーキを掛けてスクーターは窮屈そうな音を立てて止まった。
やおら、怒号のような声で、
「ハヅーーーーーーーーーッ!」
と呼びかけた。
呼び留められた方はたまったものじゃない。20メートルも離れて上にこの爆音である。
(ヘンな渾名が更に縮められてるし)
ハヅミこと、葉村亜澄は足を止めた。
呼び留めたのは、ショウである。
叫び声で分かった。
ショウは、ずんぐりむっくりした体でズンズン歩いてくる。
ヘルメットを取ると、その下はスキンヘッドである。そして顎髭が黒々と。
まるでプロレスラーである。
ショウはハヅミのバイト先の社員で、その性格上ムードメーカーで面倒見もいいのだが、いかんせん暑苦しい男であった。
こんな風に、街中で見かけようものなら大声上げて近づいてくるのだ。
「何処行くん?」
独特の関西弁で捲し立てる。
「関係ないでしょ」
ちょっと冷たいかも知れないが、そう言い放つ。
「そうかぁ、分かったわ、ほな!」
と、踵を返し立ち去ってしまう。
全く、何なんだろう?
あの拉致事件から、半年が経っていた。
ずんぐりむっくりした男が乗っている。
筋骨隆々な体を、Tシャツに無理矢理押し込んだような体型だった。
黒のTシャツは破けんばかりだった。
ウィンカーを出すと、急ブレーキを掛けてスクーターは窮屈そうな音を立てて止まった。
やおら、怒号のような声で、
「ハヅーーーーーーーーーッ!」
と呼びかけた。
呼び留められた方はたまったものじゃない。20メートルも離れて上にこの爆音である。
(ヘンな渾名が更に縮められてるし)
ハヅミこと、葉村亜澄は足を止めた。
呼び留めたのは、ショウである。
叫び声で分かった。
ショウは、ずんぐりむっくりした体でズンズン歩いてくる。
ヘルメットを取ると、その下はスキンヘッドである。そして顎髭が黒々と。
まるでプロレスラーである。
ショウはハヅミのバイト先の社員で、その性格上ムードメーカーで面倒見もいいのだが、いかんせん暑苦しい男であった。
こんな風に、街中で見かけようものなら大声上げて近づいてくるのだ。
「何処行くん?」
独特の関西弁で捲し立てる。
「関係ないでしょ」
ちょっと冷たいかも知れないが、そう言い放つ。
「そうかぁ、分かったわ、ほな!」
と、踵を返し立ち去ってしまう。
全く、何なんだろう?
あの拉致事件から、半年が経っていた。