僕らの涙はきっと明日につながっている
人の人生は限られている。毎分毎秒、目の前を通り過ぎていく。この命が今終わったらどれくらいの人が泣いてくれるんだろう。

私は立ち上がり、フラフラと屋上に向かって歩き出す。屋上から見渡せる景色は綺麗で、涙が止まった。

「夕焼け、綺麗……」

私は夕焼けを見つめ、フェンスを掴む。その時、後ろから声をかけられた。

「夏芽ちゃん、どうして屋上にいるの?」

真白ちゃんが立っていた。心配そうな顔をしている。

「あの人たちからまた何かされた?」

「何もされてないよ。大丈夫」

私は嘘をつくしかできない。私はニコリと真白ちゃんに笑いかけた。



今日は土曜日。学校がないことに私はホッとしていた。そんな私は鏡の前で必死でおめかし。だって今日は瞳ちゃんとのデートだから。

ワンピースに着替える時、お腹周りや太もものあたりには痛々しい痣や傷痕があった。それを見ると胸が痛くなる。

ワンピースを急いで着て傷を隠す。そしてメイクをして髪も綺麗に結ってから家を出た。
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