僕らの涙はきっと明日につながっている
「行ってきま〜す!!」

久しぶりに心から笑えた気がする。胸が高鳴り、瞳ちゃんに会う時だけ幸せを感じた。

「瞳ちゃん!」

「夏芽ちゃん!久しぶりだね〜」

駅前で二人で待ち合わせした。久しぶりに会った瞳ちゃんは前よりも大人っぽくなっている。スタイリストを目指しているだけあるな〜……。

「元気にしてた?」

瞳ちゃんに訊かれ、私は曖昧に頷く。瞳ちゃんは?と訊ねると楽しそうに学校での出来事などを話し始めた。

瞳ちゃんは学校で楽しく友達と過ごしているらしい。夢を追いかけて、バイトをして、部活をして、勉強して、当たり前の幸せを過ごしてーーー。

「瞳ちゃんが楽しく過ごしていてよかったよ」

「フフッ。嬉しい!」

二人で電車に乗り、隣の県へと向かう。今からスイーツパラダイスに行く予定なんだよね。胸の痛みは感じないフリをする。

手をつなぎながら二人で色んなことを話す。ごめんね、瞳ちゃん。友達と楽しく過ごしてるなんて全部嘘なんだ。
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