僕らの涙はきっと明日につながっている
一時間ほど電車に揺られ、隣の県へやって来た。

「うわっ!あそこのお店見てみたいな」

「うん、いいよ。行こう!」

街をブラブラしながらスイーツパラダイスへ向かう。

「可愛い〜」

「おいしそう!」

スイーツパラダイスには、たくさんおいしそうなパスタやスイーツが並んでいた。瞳ちゃんと話しながらスイーツを選び、席に座る。女の子が喜ぶ可愛らしい店内に、私たちは写真を何枚も撮った。

「これ食べる?おいしいよ」

瞳ちゃんにケーキを一口もらい、私も「はいあ〜ん」とプリンを一口食べさせた。

「アハハ!!」

互いに顔を赤くし、笑い合う。瞳ちゃんといられる時はいじめのことを忘れられる。でも、傷痕が時々痛むんだ。

スイーツパラダイスを出て、街をまたブラブラ歩く。その時、「そうだ!」と瞳ちゃんがかばんの中に手を入れた。

「はい、これあげる。夏芽ちゃんの誕生日近いし」

瞳ちゃんから渡されたのは、綺麗にラッピングされたプレゼント箱。私の胸に嬉しさが広がっていく。
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