僕らの涙はきっと明日につながっている
授業見学の時間は数学。数学の先生は私の担任。私のいじめを黙認してきた人物の一人だ。

「夏芽ちゃん、今日も生きてるんだ?」

「かわいそうな人だよね〜」

「いい加減死ねば〜?」

そんな悪口を授業が始まる前までずっと聞かされ続けた。うるさいと言いたいのをグッと堪える。外部の人にこのことを伝えなきゃ!

チラリと真白ちゃんを見ると、真白ちゃんはコクリと強く頷いていた。頑張らないと!

チャイムが鳴り響き、私たちは席に座る。教室の後ろには立派なスーツを着た外部の先生がいた。いじめっ子たちは大人しくしている。

いつもは気怠そうに教室に入ってくる先生が、今日は姿勢を正して入ってきた。そして授業が始まった。

「ここで使う公式はーーー」

先生も生徒もみんないつも以上に真面目。だって、この外部の人に気に入られればこの高校の知名度も上がる可能性があるから。だからこそ、このことを伝えたい。

「先生!!」
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