僕らの涙はきっと明日につながっている
大好きな人に会える。そう思うだけで胸の中にある暗い感情を一瞬忘れることができた。私はすぐに『いいよ!デートしよう』と送る。頰が緩むのがわかった。

「夏芽ちゃん、おはよう」

スマホを見ながらニマニマしていると、声をかけられる。振り向くと親友の黒木真白(くろきましろ)ちゃんが立っていた。その目はどこかオドオドしている。

「おはよう!真白ちゃん!」

ニコリと私が笑うと、真白ちゃんは「夏芽ちゃん、本当に今日も大丈夫なの?だって昨日……」と泣き出しそうな目を向ける。私は強気に笑った。

「何弱気になってんの!私はあんな人たちに負けない。だって私は何一つ悪くないんだから!!」

私は学校でいじめにあっている。三ヶ月前から始まったいじめはエスカレートしているけど、あんな人たちに負けたくない。弱い自分なんて見せたくないんだ。

昨日は放課後呼び出され、体育館裏で殴られたり蹴られたりした。未だに殴られたお腹はズキズキと痛む。それでも、真白ちゃんの前では笑っていないと!
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