僕だけが独り占めしたい。
「ちょ、ちょっとだけだもん……!」

「ふーん」



自分から聞いてきたくせに、興味なさそうに適当な返事をしている彼はいつも自由人で、自覚はないと思うけど、わたしを簡単に振り回す。

わたしの気持ちも汲んでほしいけど、きっと無理だろう。




「痩せてる子がすき……?」

「うん」




間髪入れずに言われて肩を落とす。太ったって気づいていながらも、そんなに変わらないからいいかなあっていう甘い考えだったわたしも悪いけど、傷つく言葉をズケズケ言ってくる彼も悪いと思う。





「そっかぁ、じゃあ痩せる」


わたしの唇はだんだんタコのように尖っていくのに、肝心の彼はいつも通り平然としている。
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