僕だけが独り占めしたい。
たった一言で変わってしまう自分の意思に驚いているのはわたしで、本当は悔しいけど、彼を取り囲む女の子たちはみんなみんなスタイルが良いし、メイクもバッチリでかわいいのだ。

天と地の差、または月とすっぽんという言葉がしっくりくるだろう。





「芙結ちゃん拗ねたー」


笑ってるけど、誰のせいだと思っているの?と問いかけても無駄だから聞かないし、ちっとも反省の色は見えないし、それどころかお腹をつついてからかってくる。



「拗ねてないよ」


いつものことだからそこまで気にしていないし、彼の言葉をいちいち真に受けていたら身が持たないと思う。



「たしかに痩せてる子好きだけど」



わかった、痩せるよ、と言おうとしたとき、わたしの背中に回る手に力がこもった。





「芙結ちゃんは太ってても痩せててもすきだよ」
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