僕だけが独り占めしたい。
上目遣いでわたしを見る。大きな瞳にわたしも羨ましいくらい綺麗な肌、すーっと通った鼻筋、サラサラな髪、と恵まれた容姿、

そして、外から差し込んでくる光が彼を照らしているから、もっともっとキラキラして見える。



ぜんぜん平等じゃない。無気力なのにかっこいからモテモテで、上目遣いをしたらかわいくなって、ほんとうにずるいなあ、と彼を見る度に思う。




「ふーん……」
「絶対疑ってるでしょ」

「……うん」
「えー、残念」




ほんとうは残念って思ってないでしょ、と突っ込みたくなるくらい軽いのに、慣れってこわいなあと思う。

前までは適当すぎてちょっと気にしていて、いまでも不安はあるが、前ほどは気にならない。



彼が本気になったことはまだ見たことないから、彼はこういう人だと、認識している。
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