THE 不毛

「プリン食べたい」


ゲーム機をベッドに放り、どさりと仰向けになった丹羽 晶が言う。


「冷蔵庫にあるぜー」

ゲームをやりながら、答える杵鞭 花伊。


「あーん」

パクパクと口を開く晶。

「今ちょっと無理だ」

ピコピコとコントローラーを起動している花伊。

「あーーん」

「いや、だから今手が離せないってば」

「あーーーーーん」

ドオンッ、と晶の方のゲーム機内が爆発した。

「わーにぃ(←花伊だけが使う晶のあだ名。名字の「丹羽」から)の方死んだな」

「死んじゃったー。だからプリンとジュースー」

「増えてんな」

ピコピコとコントローラーを動かし、ゲーム機画面に「win」の文字が派手に浮かび上がると、ようやく立ち上がった花伊。
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