THE 不毛

ジュースを並々に注いだグラスを、花伊は晶に手渡す。

「最近、何か面白いことあったー？」

ジュースを半分まで飲み干すと、唐突に晶は尋ねる。

「女子にコクられた」

「他」

「下駄箱にケーキ1ホール」

「それ食べた？」

「洗って食べた」

ゴッゴッゴッ…(←ジュースを飲む音)

「ビッシャビシャじゃん」

「うーん、あたしコーンフレークもしなしなの方が好きだし」

「なら平気か」


「前園(まえぞの)さんに逆ナンされた」

プリンを晶の口にポイポイと放り込みながら花伊は言う。

「理事長の娘～学校のプリンセス～！ふぅふうーー！！(晶謎の興奮状態)」

「わーにぃ、プリン口に入れたまま喋んなよ」

「ごめん。んでどーやって断った？
『俺が必要なのはプリンセスじゃない。プリンスなんだ✨(イケボ)』って言ったの？」

「何かそれ 恥ずい な」


ジュースの残りをぐっと飲み干した花伊。