忘れ人

「なあ。どうして生徒会に入りたくないんだ?」

不思議そうな表情で、会計の剣崎 誠が問いかけてくる。


「・・・目立ちたく、ないからです。」


本心ではないけど、全くの嘘でもない。

事実、“不気味”な私がキラキラな生徒会に入っても、面倒なとこになるだけ。

「けど・・・秋峰だって、ここにいたほうがいいんじゃないのか?」

戸惑ったように剣崎は、だって・・・と続ける。





「記憶がないもの同士のほうが、気が楽じゃないか。」




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