忘れ人
「確かに私は記憶を失った。あなたたちもそう。
でも、私はあなたたちとは違う。」
一緒じゃない。
だから、ここに入る気なんてサラサラない。
「あなたたちは、ここにいて、同じ傷を負った人たちと過ごすのが楽なのかもしれない。でも、私は傷の舐め合いをする気はない。」
結局彼らは、互いに傷の舐め合いをしているだけ。
言葉はキツいかもしれないけど、それが事実だ。
「何か、勘違いをしているようですね。」
冷静な声が、生徒会室に響いた。