忘れ人

「勘違い?何がですか?」


副会長の菊池 雪也。

いかにも冷静です、みたいな顔が少しイラつく。


「傷の舐め合い、という点には、かなり不満がありますが、今は見過ごしましょう。どうせあなたもすぐに分かることです。」


私が入ることが決定事項みたいな言い方だな。


「あなたは断った、と言いましたが。



 拒否権はありませんよ?」




そうして冒頭に戻る。



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