忘れ人



「生徒会の皆様よっ!」

集団リンチがひと段落し、なんとか教室にたどり着いたとき。

甲高い声と、耳が痛くなるような悲鳴が起こった。

熱狂する女子生徒の視線の先にいるのは、5人の男子生徒。

生徒会だ。


私が弱者なら、彼らはその逆、強者。

眉目秀麗、文武両道。

憧れない女子生徒がいるだろうか。

彼らは女子生徒のみならず、男子生徒からも圧倒的な人気を誇る、まさに絶対王者。

廊下を歩けば自ずと道ができ、悲鳴が湧き起こる。

・・・まるで神様のようだ。


完全無欠、円満具足。



私は、そんな彼らの“秘密”を知っている。


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