忘れ人

「最後に、皆さんに生徒会から報告があります。」


そうしてやってきました、朝会です。


ああーーー!!!

どうしよう!?

ほんとに殺される!


「生徒会の、副会長女子の席が長らく空席になっていましたが、適任者が見つかったので、発表します。」

菊池の言葉にざわめきがおこる。

一体誰なんだと推測する人、私かもしれないと期待する人。


ああ、この雰囲気の中出ていくのか。


「秋峰ちゃん、行っておいでー。」

ポン、と軽薄そうな声と共に金森に背中を押される。

後ろからの衝撃に全く備えていなかった私は、勢いのままステージへと押し出されてしまう。


「え?もしかしてアイツ?」

「うそ!ありえない!」


聴衆の悲鳴混じりの声が耳に届き、私はため息をついた。



金森・・・もうちょっと心の準備の時間が欲しかったわ。



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