忘れ人

「けど。」

ふ、と。

思い出したように、でも、大切なことを言うように。


「お前が、俺たちのことを仲間だと思ってくれるようになればいいな、って思った。」


そう言った菅原の表情は分からない。


けど、私はその言葉に否定も肯定も、それこそ何の反応も示さずに、ただ固まっていた。



< 38 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop