メーティスの告白
誰かに話を聞いてもらいたい気分だったため、透は感染症研究センターへと向かう。来客用の駐車場に車を停めた時、あるものが落ちていることに透は気付いた。

「これって……」

前に感染症研究センターに来た時は、玲奈がいなくなったことで焦っていて来客用駐車場に停めなかった。そのことを透は激しく後悔する。

駐車場に落ちていたのは、玲奈の持っている腕時計だった。北欧でオーダーメイドで作ってもらったものだと言っていたため、玲奈のものに違いない。

「ここに腕時計があるということは、やっぱり宍戸はここに来たということだよな……」

透は感染症研究センターに飛び込んだ時のことを思い返す。怪しいのはやはり洋一だ。

「一応、村田刑事に調べてもらおう」

透は腕時計の写真を撮り、研究所に戻ることにした。



「う〜ん……。難しいなぁ……」

透から話を聞いた村田刑事は顎に手を当てて考え込んでいた。それを透と美咲は真剣な目で見ている。
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