メーティスの告白

洋一がそう言った刹那、玲奈が洋一の前に立った。そして洋一を力いっぱい押す。洋一は床に倒れ、洋一が持っていた芽殖孤独は地面に転がった。

「宍戸？」

驚きながら透は玲奈を見つめる。玲奈は肩を震わせ、泣いていた。そして口を開く。

「あなたは絶対に死なせない！！死んで楽になろうなんて、逃げるなんて許さない！！」

玲奈の言葉に洋一が「は？」と首を傾げる。玲奈は洋一の胸ぐらを掴んで睨みつけた。

「お前がどんな判決になろうと私はどうだっていい。でも、お前が殺した人のぶん罪は降りかかる。現実が牙を向く。その地獄を味わってもらうから！生きて、生きて、生きて、生きて、生きて、生きて、生きて、生きて、そして死ね！！」

そう吐き捨て、玲奈は洋一から離れる。美咲が涙で瞳を潤ませながら玲奈を抱きしめた。玲奈は幼い子どものように泣き崩れる。その涙は、透に宗一のことを話してくれた時のようだった。

「……もう行き先はわかってんだろ？お前の行き先は地獄だ」

透はそう洋一に言い、村田刑事をに電話をかける。こうして、全ての事件が終わった。