メーティスの告白
不安から透はひとりごとを呟いた。頭の中には様々な玲奈の顔が浮かんでいる。
普段大声を上げることなく、無表情でいるくせに寄生虫を目にすると目を輝かせて喜ぶ。女性としても、学者としてもかなり変わった存在だったが、寄生虫を共に調べることに透はいつからか楽しさを感じていた。
「……人って失ってから大切なものに気付くって言うけど、本当なんだな」
もっと素直に自分の気持ちを伝えておけばよかった、そう透は後悔しながら玲奈のいそうな場所を探す。しかし、玲奈の姿はどこにもない。
「浜田、宍戸さんはいた?」
透に洋一が話しかける。透は首を横に振った。
「ごめんな、夜中に。どうしても心配でさ」
「俺にできることがあればいつでも協力する」
玲奈がいないことを確かめられたため、透は研究所に戻ることにした。看護師であり透と同じく玲奈の助手をしている飯野美咲(いいのみさき)に何も言わずに出てきてしまった。そろそろ帰らなければ心配をかけてしまう。
普段大声を上げることなく、無表情でいるくせに寄生虫を目にすると目を輝かせて喜ぶ。女性としても、学者としてもかなり変わった存在だったが、寄生虫を共に調べることに透はいつからか楽しさを感じていた。
「……人って失ってから大切なものに気付くって言うけど、本当なんだな」
もっと素直に自分の気持ちを伝えておけばよかった、そう透は後悔しながら玲奈のいそうな場所を探す。しかし、玲奈の姿はどこにもない。
「浜田、宍戸さんはいた?」
透に洋一が話しかける。透は首を横に振った。
「ごめんな、夜中に。どうしても心配でさ」
「俺にできることがあればいつでも協力する」
玲奈がいないことを確かめられたため、透は研究所に戻ることにした。看護師であり透と同じく玲奈の助手をしている飯野美咲(いいのみさき)に何も言わずに出てきてしまった。そろそろ帰らなければ心配をかけてしまう。