私のご主人様~ifストーリー~

心結くんは、運転しながら私が去ってからのことを教えてくれた。

あの夜のことは、平沢さんからお願いされていたこと。

ただ、組長という立場と、出来たばかりの集団で、親として、頭として、送り出してやることが出来なかったと。

体裁上、あのあと罰はあったらしい。罰とは言えないとは念を押されたけど。

「俺も、奏多さんも、森末さんも、後悔してません。俺たちだけが琴音さんの真相を知ってます。ちょっと誇りです」

心結くんは嬉しそうにそう言うけど、実際のところ冷遇されたのではないかと少し心配だ。

「そういえば、どうしてあの店に?」

「1ヶ月くらい前に信洋さんに働いてこいって言われたっす!まさか琴音さんが来るなんて思ってませんでした」
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