私のご主人様~ifストーリー~
…おおよその検討はつく。
信洋さんが唯一私の居場所を把握していた。そして、宛先不明のあの手紙たちは信洋さんが管理していた。
そして、あのメモも…。
万が一、焔が開封してその住所を訪ねてしまった時、決定打としないため。
心結くんに知らせていなかったことは、サプライズであったとしても、信洋さんの采配には驚かされるばかりだ。
「そういえば、屋敷には連絡したの?」
「………さ、サプライズっすよ!サプライズ!!ははは!」
若干顔が引きつっている心結くん。
…大丈夫かな、私。
不安を覚えながらも、風景は記憶の片隅にあるものと似通ったものになっていく。
そして、21年ぶりに見る門構えに思わず身が引き締まる。
帰ってきたんだ、本当に。
うまいこと実感が沸かず、門扉を眺めた。