私のご主人様~ifストーリー~

誤解を招かないように、いつかのように、季龍さんが私を諦めないように。

呼吸を整えて、言葉をつなぐ。

「焔と一緒にいたかった。でも、季龍さんと一緒にいたい。…季龍さんと一緒に、焔を見守っていたかったの」

「…」

「焔に、父親がいないなんて言わせたくなかった。焔に、季龍さんを憎ませたくなかった。

でも、何にも出来なかった。焔が季龍さんを憎むのを止められなかった。

焔が、警察になるって決めたのも、私のせいなの。もっと、もっと自由にしてあげたかったのに!!」

季龍さんは黙ったまま。

何を言いたかったのかも、よく分からなくなってる。

「…それは、欲なんかじゃねぇ。そんな言葉で、お前の思いを傷つけるな」

「…出来なかった、選べなかったことを、やりたかったんだよ?だから、これはただの欲張りなの」
< 130 / 167 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop