私のご主人様~ifストーリー~
誤解を招かないように、いつかのように、季龍さんが私を諦めないように。
呼吸を整えて、言葉をつなぐ。
「焔と一緒にいたかった。でも、季龍さんと一緒にいたい。…季龍さんと一緒に、焔を見守っていたかったの」
「…」
「焔に、父親がいないなんて言わせたくなかった。焔に、季龍さんを憎ませたくなかった。
でも、何にも出来なかった。焔が季龍さんを憎むのを止められなかった。
焔が、警察になるって決めたのも、私のせいなの。もっと、もっと自由にしてあげたかったのに!!」
季龍さんは黙ったまま。
何を言いたかったのかも、よく分からなくなってる。
「…それは、欲なんかじゃねぇ。そんな言葉で、お前の思いを傷つけるな」
「…出来なかった、選べなかったことを、やりたかったんだよ?だから、これはただの欲張りなの」