私のご主人様~ifストーリー~

「…焔に、季龍さんを親父って、呼ばせたかったな」

「俺は父親ってガラじゃねぇよ」

そんなことない。きっと、素敵なお父さんになってくれただろう。

言葉にしなくても、その姿で…。

「琴葉、俺に叶えてやれることはあるか?」

「え?」

「お前が俺にしてほしいこと」

突然聞かれたことに、思わず呆けてしまう。

季龍さんに、してほしいこと…。

想像して、思わず頬が熱くなる。

いやいや、いくつだと思ってるんだ私。20代じゃあるまいし…。

「な、ないです」

「せめてこっち見ながら言え」

嘘だと一発でバレてしまう。

渋々視線を向けると、期待した顔が向けられていて、逃げられないことを悟った。
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