私のご主人様~ifストーリー~
季龍さんはどこか懐かしむように月を眺めながら口を開く。
「お前に会いたくても、俺からじゃ、口が裂けても言えなかった。正直、お前が会いに来てくれるんじゃねぇかって、若干期待してな」
ところが、私からのコンタクトは一向におとずれない。
当たり前だ。私はその時既に焔との生活を始めていたんだから。
「1年、2年過ぎてもお前から何の接触もない。仕事は日に日に危険なことにも関わるなかで俺はバカにもお前を恨みさえしたよ。もう、俺は必要ねぇのかって勝手に荒れた」
「…あの、玄関にいたのって」
「情はねぇよ。関係は持ったことはある」
「そう、ですか」
ショックが無いわけじゃない。でも、組の仕事上での関わりが皆無だとも思ってはいない。
割り切らないと。例え、季龍さんが進んで関係を持ったとしても…。