私のご主人様~ifストーリー~
「二度と他の女のとこには行かねぇ。約束する。…いや、悪かった」
「…はぁ、浮気したら殴りますから」
「琴葉だけだ」
肩を抱かれた瞬間、少しだけ肩がはねたのは許してほしい。
絶対に割り切る。でも、少しだけ、季龍さんを独占したくなって正面から抱きついた。
「…3年経つ頃には、ここで寝泊まりすることも多くなってきて、ようやく違和感に気がついた。お前がいるはずなのに、痕跡がなさすぎることに」
私の頭を撫でながら、季龍さんは話を進める。
鈍いんじゃないか季龍さん。思わずそんな感想を抱いたのは内緒。
「思い切って親父に聞いてもはぐらかすばっかで、確証がなかった。…若頭になったら、会わせてほしいって正面切って言う覚悟をつけるのに、結局5年経っちまった」