私のご主人様~ifストーリー~
翌日、執り行われた式は、そうそうたる顔ぶれだったのか。
森末さんや心結くんが緊張しているのが少しおかしかった。
「琴葉」
差し出してくれた手に自分の手を重ねる。
「離さないでくださいね」
「お前こそ、離れていくんじゃねぇぞ」
季龍さんのエスコートを受け、会場に足を踏み入れる。
一身に浴びる視線。
祝福が多い中、視線の中には値踏みされたものや、憎悪や嫉妬もあった。
でも、屈してはいけない。
季龍さんが選んでくれたのは、私だから。季龍さんが選んだ女を軽蔑されてはいけない。
私自身が季龍さんの隣に立つと決めたから。