私のご主人様~ifストーリー~

2人は、お袋と2年過ごしたらしい。

『俺たち、琴葉さんの側近だったんすよ!』

『とは言っても、奏太は俺の半分以下だけどな』

『暁やっぱ張り合うよなぁ、そこ』

暁さんは不機嫌そうな顔をしながら、奏太さんの言葉をあしらった。

そんな2人の伝手で、父親の妹さんだという女性に会うことができた。

『陣之内梨々華です。こっちが夫の正裕』

『はじめまして』

『はじめまして。葉月焔です』

『葉月…そっか、ことねぇ偽名で君のことを育てたんだね』

名乗ったと同時にそう見抜いた父親の妹さんは、嬉しいのか、悲しいのか複雑に感情が入り交じった顔をしていた。

『お兄ちゃんとことねぇは、絶対君のことを大切に思ってるよ』

『わかるんですか?』

『あの2人なら、きっとそうするだろうなって!これは妹の勘だけどね!』

勘と言いながらも断言に満ちた言葉だった。
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