私のご主人様~ifストーリー~
緊張で震えてきた手を握り直し、平沢さんを見つめ返した。
「平沢さん、以前私に言ってくださったこと、覚えていらっしゃいますか?」
「お前が裏の世界に来るなら、命がけで守ってやるっつったことか?約束は守るぜ。…手段は問わねぇけどな」
口角を上げた平沢さんは、暗に季龍さんを蔑んでる。それを分かっていながら、無視をした。
感情的にならなくていい。
これは季龍さん自身の問題だ。平沢さんに私が何を言っても、季龍さんが自身の力で平沢さんを認めさせなければ意味がないんだから。
それに、私が決めた道に、季龍さんは関係ない。
「…平沢さん、私は“あなた”に付いていきます」
「…」
私の答えに平沢さんは目を細める。
真意を探られるような視線は、決して心地のいいものではない。でも、その視線からは逃げてはいけないと、平沢さんと視線を合わせ続ける。