私のご主人様~ifストーリー~

「…琴音?」

「…」

話そうとしたけど、今口から手を離したら吐くと瞬時に理解して固まる。

ヤバイ、吐きたい。でも、動けない……。

両手で口を押さえて固まることしか出来ない。

どうしよう、どうしよう…。

頭痛いし、気持ち悪いし、吐きたいけどこんなとこで吐けないよ…。

息苦しさか、気持ち悪さか、ありとあらゆる不快な感情に襲われて視界が涙で歪む。

目を閉じてひたすら耐えていると、ガサッという音と共にぬくもりに包まれる。

ゆっくり目を開けると、口元にビニール袋と、そばで寄り添ってくれている季龍さんの姿が見えた。

「とりあえず吐け」

「…」

…………………………最悪。
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