私のご主人様~ifストーリー~

その日から更に1週間。

生活基盤がようやく整ったのを見て平沢さんに準備完了の連絡をしたのが3日前。

引っ越してくる人たちの準備も終わったと、今日ようやく組員さんたちをお迎えできる。

出迎えはいらないと連絡は来ていたけど、流石にそんなわけにもいかず久しぶりに和服に身を包んで玄関で待ち構えてた。

「…奏多さん、変なとこある?」

「え?…あぁ、そういう意味じゃなくて、久しぶりだから、なんか懐かしくて」

奏多さんが自然と浮かべた笑みに思わず頬が高揚する。

確かに久しぶりだけど、そんな嬉しそうな顔をされたらどんな反応をしたらいいのか分からないのに…。

「若…季龍も、来れるといいね」

「…うん」

連絡手段を持たない私はもちろん、信洋さんにでさえ季龍さんがどのような立場に置かれているのか分からなかった。

だから、ここに来れるのかすら分からない。

…会いたい。

ただそう思うだけなのに、どうしてこんなに難しいんだろう。
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