私のご主人様~ifストーリー~

「到着されましたよ」

音を立てながら開いたドアと共に、森末さんの声と車の音が耳に飛び込んでくる。

門扉の向こうに見えたのは、無数の車とバイク。

見知った顔や、知らない顔もある。

すぐに見えたその中に、探し求めていた姿がないことに少しだけ落胆するのを自覚した。

それでも、車から降りて来た平沢さんの姿を認めるなり自分の中の何かが切り替わるのを感じた。

先に降りていた人だっていたのに、平沢さんが真っ先にこちらに向かって歩いてくる。

そして、その後ろに続く大勢の人。

嫌でも見せつけられているみたいだ。平沢さんが、この男達の頂点に君臨しているということを。

自然と頭が下がる。こうすることが正しいことだと自然と頭が理解する。
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