私のご主人様~ifストーリー~
「琴音、お前は堂々としてろ」
下げた頭をはたかれる。
驚いて顔を上げると、呆れ顔の平沢さんと、永塚組の幹部さん達の姿があった。
…そうだ。私は平沢さんの娘なんだ。
「…お帰りなさい。父さん」
「あぁ。ただいま」
ふと頭に浮かんだ言葉をそのまま口に出していた。
平沢さん…父さんは一瞬びっくりした顔をしたけど、嬉しそうな顔で頭を撫でてくれた。
荷物を受け取ろうとしたけど、それをかわされてこっそり耳打ちされる。
「季龍は最後に来る。ここで出迎えしてろ」
「ッ…」
思わず耳を塞いで父さんを見ると、したり顔で屋敷の中に入っていく。
…娘をおちょくるとは許せませんね。いつかやり返して差し上げましょう。
復讐計画を練りながら、笑顔を張り付けて出迎えに専念した。