私のご主人様~ifストーリー~
「お前は我慢強い。ギリギリまで追い詰めてぶっ倒れてからじゃ、遅いんだよ。休むことも覚えろ」
「…はい、お父さん」
少し…いや、大部心当たりがある。
素直に甘えよう。
「…成長したな」
少しだけ驚いた顔をするお父さんにはにかんで見せた。
「準備できたら森末に送ってもらえ。ゆっくりしてこいよ」
「はい。…お父さん」
「ん?」
「ありがとう」
やっぱり照れ隠しで、お父さんは軽く手を振った。
私がいない間のことを任せるため、心結くんにお願いする。奏多さんは先に聞いていたのか、気にしなくていいよと言ってくれた。
「いってらっしゃい、琴音ちゃん」
「うん、いってきます」
奏多さんと心結くんに見送られて、森末さんが運転する車に乗り込む。
外に出るのも久しぶりで、少しだけわくわくした。