私のご主人様~ifストーリー~
「…お邪魔します」
思わずそんなことを言いながらドアを開ける。
センサーでついた光で照らされた玄関。静かな部屋に違和感を覚えながら奥の部屋に進む。
「わぁ…」
目を前に広がった景色に感嘆の声がこぼれた。
展望台に上がったような景色だ。見下ろす街並に、夜になったらもっときれいに見えるのかもしれないって期待する。
…と、景色はすごい。それはいいとして、この部屋を一通り見ていく。1LDKで、家具、家電は必要なものは揃ってる。
ホテルに洗濯機と大きめの冷蔵庫が取り付けられているようなイメージだ。
冷蔵庫の中にも食材がある程度詰められているけど、10日となると少し心許ない。
わざわざネットで頼むのも面倒だけど、私1人で出歩くのもあまりよくない。
さっきの森末さんの口振りだと、誰か来てくれるみたいだけど…。