私のご主人様~ifストーリー~
「服、どこにあり…ますか?」
「っ手当てが先です!!何をそのままほっとこうとしてるんですか!」
「いや、大丈夫…」
「大丈夫じゃない!!座って!」
ご飯の支度は後回しにする。今やらなきゃ、絶対に手当てさせてくれないと思った。
季龍さんをリビングのイスに座らせて、蒸しタオルと収納に入っていた救急箱を持ってくる。
「自分で…」
「大人しくしてください」
やっと観念したのか、手を出してくるのをやめた季龍さんに手当てをしていく。
この半年、軽症の人の手当ては教えられた。打撲や切傷はよく負って戻ってくる怪我だ。
季龍さんの体に触れると、少しだけ熱い気がする。試しに額に触れると、やっぱり体温が高いと思う。
「熱あるじゃないですか…」
「これくらい平気…です」
手当てを終え、首にかかったままのタオルを手に季龍さんの髪を拭く。
結局、髪まで乾かして季龍さんから離れたけど、戸惑ったままだった。