私のご主人様~ifストーリー~
「琴音」
「はい?」
「……お前が欲しい」
「え?」
季龍さんを見上げると、少し頬を高揚させながらもまっすぐな目をしていた。
本気なんだと、頭が理解するのと同時に身体中に緊張が走る。
「嫌か?」
「…ううん。嬉しい」
季龍さんは一瞬驚いたように目を見開いた。
伸ばされた手に頬ずりする。そのまま後頭部に回った手に導かれるまま、季龍さんとの距離を詰める。
満ち足りた時間にめまいがしそう。
季龍さんに求められることも、季龍さんを求め、応えてくれることも。嬉しくて、幸せで。この人さえいればいいって思ってしまうほど狂おしくて。
求めるままに愛し合う時間はあっという間に過ぎていった。