私のご主人様~ifストーリー~
別れ
季龍さんと過ごした日々はあっという間に過ぎ去った。
屋敷に戻ってからの日々はなにも変わらない。あの時間は都合のいい夢だったのではと思ってしまうほど変わらない日常を過ごす。
あの日までは。
「初雪ですよ!!」
そんな声と共に開け放たれた襖。
興奮気味の心結くんにつられて縁側に出ると、チラチラと舞う白い結晶に思わず目を奪われた。
雪が降るなんて珍しい…。
思わず空を見上げ続けていると、急に目の前がかげる。あれ?と思ったときにには心結くんに支えられていた。
「琴音さん、大丈夫ですか?」
「あ、うん。ごめんね」
心結くんから離れながら、軽く頭を振る。最近よく立ちくらみをする。別に疲れている訳じゃないのに。