私のご主人様~ifストーリー~
「すみません、すみません…」
「…やめて」
土下座したまま、何度も何度も繰り返される謝罪。
耐えられなかった。聞きたくなかった。
貴方の口から、この子を否定する言葉ばかりを、聞きたくなかった。
「出ていって…」
「…琴音」
「っもう来ないで!!どこか行って!!!」
無意識に、お腹に回した手。そのまま季龍さんから離れるように後ずさって部屋の壁にぶつかった。
季龍さんはのろのろと顔を上げる。でも、立ち上がることはなくて、そこから動かなかった。
「早くどっか行ってよ!!!」
手短にあったものを手にとって、それが何か分からないまま、季龍さんに投げつける。
それを避けることなんて、簡単なはずなのに。避けずにそれを受けた季龍さんに沸き上がって来たのは怒りだった。