私のご主人様~ifストーリー~
最高の親孝行だよ。
そう言いたいのに、言葉が出てこない。
結局抱き締めることにすると、恥ずかしがって引き剥がされた。
「つうか、お袋本当に働いてんのかよ」
「え、そこ?」
「俺、お袋が仕事してる印象、全くないんだけど」
疑心に満ちた目に少し、いや大分イラッとする。
稼ぐためにどれだけ頑張ったと…。
でも、口で言うだけでは通じないと判断して仕事用のパソコンを開く。
「ホームページ作成にシステム構築!今はフリーでやってるけど、焔が浪人しても余裕ですからっ!」
「縁起でもねぇこと言うなよっ!!」
間髪いれずに突っ込みを入れてくる焔は、改めてパソコンの画面を見つめている。
確かに仕事をしているところを見せないようにしてきた。
でも、だからと言って無職だと思われていたのは心外だ。