私のご主人様~ifストーリー~
再会
「えっと…」
いつか見たはずの風景を追う。
20年の時はあまりにも長すぎて、おぼろげな記憶にはまる風景はどこにもなかった。
でも、宛先不明の贈り物にいつもと違うメモが入っていて、そこには「あなたが望むなら」という一言と共に住所が添えられていた。
見たこともないような住所だったけど、焔が20歳を迎えた今年に届いたのは、偶然なんかじゃないと思う。
スマホの地図アプリを頼りに歩き続けると、たどり着いた場所に思わずスマホと目的地の建物を見比べた。
「お惣菜屋、さん?」
今時珍しい…。じゃなくて、冗談かともう一度メモの住所を入力、検索するけど結果は変わらないまま。
からかわれた…?本気で悩み、立ち尽くしていると、ガシャーンッと明らかにおかしな音が響き渡った。