私のご主人様～ifストーリー～

「親父さん、お世話になりました！」

「ん」

…え？お世話になりました…？お疲れ様でしたじゃなくて？

心結くんも、店主さんも簡単な挨拶を交わしただけで別れを済ませてしまう。

「琴音さん行きましょう！」

「う、うん…。心結くんがお世話になりました」

頭を下げるけど、店主さんはもう店の中へ入ってしまっていた。

「琴音さん、お話は車の中で」

「うん」

心結くんに促されて、店をあとにした。程近くに停められていた車に乗り込むと、心結くんは少しそわそわしながらもハンドルを握る。

「免許、取ったんだ」

「当たり前じゃないですか！琴音さんが戻ってきたとき、運転手になれるように取っときました！」

「ふふっ大袈裟」

「冗談じゃないですよ？森末さんだけずるいじゃないっすか」