お兄ちゃんの友達と、秘密のキス。
まぁ、実際すごくときめいてしまったのは事実だけど……。


「でもさぁ、年上のイケメンなんて、椎奈のお兄ちゃんの友達でいっぱいいるんじゃない? 知り合おうと思えばいくらでも……」


言いかけたところで、眉をひそめたノンちゃん。


「って、それは無理か」


「う、うん」


「そうだった~。お兄ちゃんという大きな壁が……。じゃあやっぱ、学校で探すしかないか~」


ノンちゃんが頭を抱えるようにして呟く。


そんな時、ふと教卓のほうに目をやったら、同じクラスの長谷川海里(はせがわ かいり)くんが黒板を丁寧に消している姿が目に入って、ハッとした。


「あっ!」


「ん? どうしたの? 椎奈」



「やばい私、日直だったの忘れてた! ちょっと待ってて」


そうそう、私ったら今日日直なのに、黒板消さなくちゃいけないの、すっかり忘れてたよ。


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