お兄ちゃんの友達と、秘密のキス。
慌てて黒板まで走っていき、長谷川くんに声をかける。


「長谷川くん! ごめんね、私も日直なのに。手伝うよっ」


そしたら彼はこちらを振り返ると、爽やかな笑みを浮かべながらこう言った。


「いや、大丈夫だよ。これは俺がやるし」


「でもっ」


「いーのいーの」


そう言って、私の頭を片手でポンポンと撫でてくる彼。


「だって、桜庭ちっちゃいから、高いところ消すの大変だろ?」


「……っ」


小っちゃいって言われちゃった。


たしかに私、身長は153センチしかないけど……。



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