お兄ちゃんの友達と、秘密のキス。
ウソ。見てたんだ、今の。


「長谷川くんもカッコいいよね~。イケメンだし、バスケ部のエースだし。うちのクラスでは一番モテるんじゃない?」


「そうなんだ」


ノンちゃんに言われて、もう一度チラッと長谷川くんのほうに視線をやる。


でも確かに、言われてみれば確かにイケメンだし、モテるのはわかるかもしれない。


「長谷川くんとか、どう?」


「えぇっ! いや私、そんなに絡んだことないよっ?」


「これから仲良くなっちゃえばいいじゃん~。私、けっこうお似合いだと思うよ」


「そ、そんなっ! 無理だよ!」


「無理じゃないって〜。椎奈は可愛いんだから、その気になればすぐに彼氏できるよっ。お兄ちゃんの言うことなんか無視して、恋しちゃおうよ!」


「うーん……」


たしかに、私も恋がしてみたいとは思うけど、この前の合コンもあんな感じだったし、そもそも私、男の子と話すのが苦手だからなぁ。


そんな簡単にはいかないよね、きっと。


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