お兄ちゃんの友達と、秘密のキス。
「ただいまー」


その日、家に帰ると玄関で、お兄ちゃんの靴の隣に知らない男の人の靴を発見した。


誰だろう……お兄ちゃんの友達でも来てるのかな。


うちはお父さんが単身赴任中だから、今家にはお兄ちゃん以外男がいないし。


リビングのドアをガチャッと開け、中に入る。


そしたらお兄ちゃんが満面の笑みを浮かべながら出迎えてくれた。


「おぉ椎奈、おかえり!」


「ただいま、お兄ちゃん」


「待ってたぜ~。今日は寄り道せず帰ってきたみたいで偉いなぁ」


さっそく私の肩に手を回し、そんなふうに言うお兄ちゃんは相変わらずだ。


「ちょうど今俺の友達が来てんだよ。紹介するよ」


「えっ?」


やっぱり友達が来てたんだ。


「おい、美影(みかげ)!」



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